突然ですが妄想は好きですか?
妄想に限らず、もしもあなたの心の中をのぞける人がいたら・・・。
私なら引きこもりますね。
今回紹介する映画は「高台家の人々」
妄想(想像)好きの主人公”平野木絵(綾瀬はるか)”と人の心の中が見えてしまう”高台光正(斎藤工)”
この記事では、映画「高台家の人々」のあらすじとネタバレ・レビューを紹介していきます。
この映画の上映時間は」116分。
映画「高台家の人々」あらすじ
幼少期から空想(妄想)をすることが好きなOL”平野木絵”。
彼女の務める会社に、高台(こうだい)グループの御曹司”高台光正(こうだいみつまさ)”が赴任する。
皆がお金持ちの御曹司が来たと媚びを売ろうとするが、高台光正には秘密があった。
彼は人の心の中が見えるエスパーだった。
人の心の中が見えることで、人の嫌なところを見すぎてしまい、心を開けないでいる光正だが、ある女性の空想がみえる。
それはそれまで見たことのないようなとんでもない内容で、おかしくて仕方がない光正はしだいに木絵に惹かれていく。
空想が止まらない木絵、心が見える光正。
2人の恋には空想と波乱が止まず・・・・!!
果たして2人は結婚までたどり着くことができるのか!?
映画「高台家の人々」原作は・・・
映画「高台家の人々」の原作は森本梢子原作の漫画です。
集英社、マーガレットコミックスから全6巻で出ています。
森本梢子は「ごくせん」や「デカワンコ」など、ヒット作の映像化もたくさんされており、今回の「高台家の人々」も映画化。
「高台家の人々」は2014年のNEXTブレイク漫画RANKING BEST50で第1位を獲得もしています。
NEXTブレイク漫画RANKING BEST50とは
NEXTブレイク漫画RANKING BEST50とは、KADOKAWAが2年に1度3000人の書店員が投票して選ばれたランキング。
「高台家の人々」は2014年の第5回で1位に選ばれました。
2016年の第6回以降はこの企画は行われていません。
NEXTブレイク漫画RANKING BEST50はKADOKAWAがエンタミクスという雑誌で企画していたもので、2017年の5月をもって、エンタミクスは休刊しています。
映画「高台家の人々」ネタバレとレビュー(感想)
映画「高台家の人々」
私、玄苺による評価は・・・(星4つ)
非常に面白くできています。
原作である漫画も読んでいるのですが、原作の世界観をうまく映像にしています!
コミカルな部分の映像の面白さと、心理描写の細やかさ。
とても良い作品です。
ただし・・・原作を読んでいる人にとっては、がっかりしてしまう部分も・・・。
それではネタバレを含めて感想とレビューを紹介していきます。
木絵の空想の映像化が最高!!
物語の中で大きな役割になるのが、ヒロイン”平野木絵”の空想。
序盤からぶっ飛んだ空想が連発します。
光正が会社に来た時から、ドラリー卿という謎の人物に追われてやってきた妄想を。
そしてその後エレベーターで一緒になった時も、ビルがドラリー卿に占拠されている妄想をします。
脇田課長が捕まっているけれど「仕方ない、諦めよう」と光正が扉を閉める妄想
これを文字にすると面白さが伝わりにくいんですが、本当にうまいこと映像にしています。
それが普通のシーンの間にこまごまと入っていて、普段のシーンと妄想のシーンにずれがなく、余計に面白い。
本当にその場での妄想を具現化したような、うまい映像の作りになっています。
そしてこのドラリー卿を含めて、木絵の妄想には8種類の謎のキャラクターが現れます。
これらはすべて、脇田課長を演じる塚地武雅が演じています。
シュールな雰囲気からコミカルなキャラと面白おかしいキャラクターを演じる姿は、さすが芸人さんといえますね。
特に小人に扮した姿は、物語全体でよく登場しますので、是非見てほしいです。
光正たち高台家の心が見える・読める苦しみ
人の心の中が見える・読める。
これがどれだけ苦しいか、想像しかできません。
でも想像しただけでも、苦しいのはわかります。
人の感情には良い物ばかりではない、人の不幸を願うものや、下心からの行動まですべて見えてしまうのですから。
漫画「シャーマンキング」でも主人公”葉(よう)”の許嫁である”アンナ”や1000年前の”葉王(ハオ)”も心が見える・読めることから苦しみ、鬼を生んでしまった。
同じ世に光正も苦しんできたから、笑顔になれない。
そして光正の弟妹の2人も同じように苦しみ、なかなか人との関係がうまくいかない。
一体どんなものでしょうね、人の心の中が見える苦しみは。
木絵の心を読まれる苦しみ
自分の心の中が見られている・読まれていることを知った木絵。
最初は戸惑い、そして苦しみ、心を閉ざします。
一心に浮かべるのはたまたま見かけた環境ビデオのワンシーン。
ひたすらにその映像を心に浮かべることで、心を見られないようにする。
この気持ちはわかります。
私もいろんな空想をすることが好きですが、こんな心の中を読まれていたらもう・・・恥ずかしくて引きこもりますよ。
別に変な妄想をしているとかそういうことではなく、ちょっとしたバカな妄想や空想。
勝手に作ってしまうストーリーや頭の中のやり取り。
それが全部見られるなんて・・・。
木絵も筋金入りの妄想族ですから、やはりここで苦しむわけです。
綾瀬はるかの演技力!
映画「高台家の人々」でヒロイン”平野木絵”を演じるのが、女優”綾瀬はるか”です。
木絵というキャラクターは妄想・空想が好きなこともあり、空想の中での表情やキャラクター性が普段のOLのときとはまた違います。
そして心を読まれていることを知ってから、戸惑いや不安、心の中を読まれまいとする姿。
これが見事に表情で演じられています。
かわいらしいキャラクターから、コミカルなキャラクター、そして強い(心身ともに)キャラクターと多様なキャラクターを演じている綾瀬はるかですが、これだけ百面相するキャラクターも珍しいのでは。
ちょっとした感情の揺らぎや変化を表情一つで見ている側に感じさせる。
さすがのひとことですが、本当に綾瀬はるかの演技が素晴らしいです。
映画「高台家の人々」と原作漫画の大きな違い
おそらく原作漫画を読んでいる人と映画だけ見ている人では評価が変わってくるでしょう。
それはどうしても漫画の原作のイメージや、すでにできている作品としての質が変わってしまうからです。
今回の「高台家の人々」も全6巻の漫画が原作になっていますが、やはり2時間弱の映画にするには全部のストーリーを添うことはできません。
なので原作とは違うストーリー進行をしてしまうのですね。
「高台家の人々」でも
- 原作では結婚式で逃走しない
- 心を読まれることで苦しむ期間がかなり長くなっている
- 花嫁修業シーンがない
などと大きく違う点があります。
なぜこれが悪い評価につながるのかというと、原作の木絵の姿を前半にうまく撮れていたからです。
ストーリーの大きな変化は後半の、木絵が高台家の兄弟のテレパスの能力について知った後。
映画ではものすごい悩み苦しみ・・・となるのですが、原作では悩むものの立ち直るのも早い。
お義母様になる”由布子”三からの厳しい花嫁修業もこえていく、強い心、信念も持ち合わせているんです。
この違いが、木絵の人物像を変えてしまうんですね。
原作ファンにとってはここで木絵という人物にズレが生じる。
これがマイナスの評価を生んでしまっているところです。
ですが、前半特に面白く、空想の描き方もうまいからこその、原作ファンが残念に思うポイントなんですね。
映画「高台家の人々」の曲は・・・
映画「高台家の人々」でエンディング曲を担当するのは”西野カナ”
「YOU&ME」という曲でエンディングを飾るのですが、作品にピッタリですね。
明るくポップな雰囲気がまさに2人が一緒になる瞬間に最高な1曲になっています。
映画「高台家の人々」キャスト・スタッフ
それでは、映画「高台家の人々」のキャストとスタッフを紹介します。
キャスト
平野木絵:綾瀬はるか
高台光正:斎藤工
高台茂子:水原希子
高台和正:間宮祥太朗
脇田実(脇田課長):塚地武雅
斎藤純:夏帆
高台茂正:大野拓郎
高台アン:シャーロット・ケイト・フォックス
高台茂正Jr.:市村正親
高台由布子:大地真央
阿部弓子:堀内敬子
岸本浩平:坂口健太郎
スタッフ
監督:土方政人
原作「高台家の人々」(集英社「マーガレットコミックス」全6巻):森本梢子
脚本:金子ありさ
音楽:菅野祐悟
製作:石原隆・市川南・渡辺直樹
プロデューサー:西原恵・大澤恵・山崎淳子
撮影:大石弘宣
照明:杉本周士
録音:神波哲史
美術:北川深幸
映像:田中宏
映像:藤本伊知郎
編集:深沢佳文
音響効果:森本素子
監督補:村谷嘉則
製作担当:太田康一
製作:フジテレビジョン 東宝 集英社
製作プロダクション:共同テレビジョン
配給:東宝